繰下げ6/17 高収入の在職者が繰り下げすると?

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繰り下げ中に在職していた場合

65歳以後、厚生年金加入者として在職する人は、老齢厚生年金の繰下げ受給について注意が必要です。

老齢厚生年金を受給できる人が厚生年金加入者として在職していると、年金額と報酬(給与)に応じて老齢厚生年金の一部もしくは全部が支給停止されます。在職年金あるいは在職停止などといわれる仕組みです。なお、65歳から支給される老齢厚生年金の年金額のうち、在職停止されるのは報酬比例部分です。経過的加算額は在職停止の対象外とされ、報酬がいくら高くても支給されます。また、老齢基礎年金は在職停止には関係ありません。厚生年金加入者として在職していても全額受給できます。

たとえば、65歳から「報酬比例部分9万円+経過的加算額1万円=10万円」という老齢厚生年金を受給できる人が、報酬50万円の厚生年金加入者として在職していると、「(報酬比例部分9万円+報酬50万円-47万円)×1/2=6万円」が在職停止されます。報酬比例部分は9万円のうち6万円が停止され、受給できるのは3万円。これに、在職停止されない経過的加算額1万円が加わって、受給額は4万円となるのです。

繰り下げ中に在職していた場合

繰り下げ中に在職していた場合

さて、この人も老齢厚生年金を繰下げ受給できます。仮にこの人が在職していなくて、老齢厚生年金を5年繰り下げて70歳から繰下げ受給すると、年金額が「10万円×42%=4.2万円」増額されます。ただし、上記のとおり報酬50万円で在職していると、繰下げ受給による増額は、「4万円×42%=1.68万円」となるのです。

繰り下げ中は老齢厚生年金を受給していませんが、厚生年金加入者として在職していた場合は、在職停止の仕組みを当てはめて受給できる額だけが繰下げ増額されるのです。在職していても報酬が低くて停止額が0円の場合は、年金額の全額が繰下げ増額の対象となります。逆に報酬が高くて報酬比例部分が全額停止される場合は、報酬比例部分は1円も増額されず、経過的加算額だけが増額対象となります。報酬の高い人が繰下げ受給をしても、年金額の増額は期待できない場合があるのです。

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