加入期間と年金額4/24 厚生年金加入期間と年金額・その1

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厚生年金の加入期間に基づく年金額

会社員が老後に受給する老齢年金とその年金額の成り立ちを理解するため、ちょっと昔の年金制度から振り返ってみましょう。

会社員は昔も今も厚生年金に加入します。厚生年金の保険料は給与の一定率です。厚生年金や健康保険では給与のことを報酬というので、保険料は「報酬×保険料率」となります。現在の保険料率は18.3%。これを加入者と会社で半分ずつ負担するので、加入者本人が報酬から天引きされている保険料は「報酬×9.15%」です。

この9.15%はすべての加入者について同じですが、加入者はそれぞれ報酬つまり給与額が異なります。たとえば、報酬40万円の人の保険料は「40万円×9.15%=36,600円」。これは報酬が半分の20万円の人の保険料の2倍です(20万円×9.15%=18,300円)。報酬40万円の人は20万円の人の2倍の保険料を払うのですから、年金額も2倍で当然だと思います。この考え方に基づくのが、「報酬比例部分」という年金額です。

報酬比例部分は、厚生年金加入中の報酬の平均額に基づきます。したがって、加入期間が同じだったとしても、その間の報酬の平均額が40万円の人と20万円の人とでは、報酬比例部分の額は2倍の開きがあります。大昔、制度がスタートしたときの厚生年金は、報酬に基づく保険料を払い、報酬に基づく年金額を受給する、完全比例の年金制度でした。

厚生年金の加入期間に基づく年金額

厚生年金の加入期間に基づく年金額

ただ、年金額が報酬比例部分のみだと、老後も一生涯にわたって現役時代の報酬の多い少ないに影響され続けます。厚生年金はあくまでも社会保障制度の一つです。その面からいえば、現役時代の報酬の多い少ないに影響されない最低保障的な年金額があっても良いかもしれません。そこで、制度発足から10年以上経って設けられたのが「定額部分」という年金額です。

定額部分は、厚生年金に1カ月加入すると「いくら」と決められている「定額単価」という金額に加入月数を掛けた額です。定額単価は原則としてすべての人について同額なので、加入期間が同じであれば、加入中の報酬額に違いがあっても同じ額になります。定額部分は加入中の報酬の影響を受けない最低保障的な年金額です。昔の厚生年金は老齢年金も障害年金も遺族年金も、報酬比例部分と定額部分という二階建ての年金額でした。(その2に続く)

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