加入期間と年金額

加入期間と年金額1/24 会社員のリタイア時期

設例夫婦

このパートでは、60歳前後の会社員を想定して、リタイア時期と老齢年金の年金額について解説します。会社員の方が何歳まで働いて何歳でリタイアするのかは、それぞれの方の考え方と置かれた状況によって自身で決めるべきことです。

会社員は厚生年金に加入しており、老齢年金の年金額はその加入期間に基づきます。長く働けば加入期間が伸び、それに応じて年金額が増えますが、だからといって年金額を増やすため嫌々働くのは本末転倒です。

私たちは年金額を増やすために生きているわけではありません。幸せに生きるために生きているのです。いつリタイアするのかについても自分が望む時期にリタイアするべきでしょう。ただし、それが年金額に影響するのも事実です。

このパートでは、大学を卒業し定年の60歳まで会社員として働いた夫と3歳年下の妻という夫婦を設定し、数パターンのリタイア時期を示して、それぞれが年金額に与える影響を解説します。想定した層に近い皆さまがリタイア時期を考える際の参考材料の一つになれば幸いです。

加入期間と年金額2/24 設例夫婦の年金加入歴

設例夫婦の年金加入歴

設例夫婦の夫は、令和4年4月1日に60歳定年を迎える昭和37年4月2日生まれとします。大学を卒業して23歳で就職、以後60歳に達するまでの37年間(444月)会社員として厚生年金に加入するものとします。この夫が大学生だったころは、20歳以上の学生は国民年金の強制加入者でなかったため、20歳から就職するまでの3年間(36月)は未加入期間とします。

なお、老齢厚生年金の報酬比例部分の額は、厚生年金の加入期間を総報酬制が導入された平成15年4月前後に分けて計算します。この夫の平成15年4月前の加入期間は216月、その間の平均標準報酬月額を35万円とします。平成15年4月以後の加入期間は228月、その間の平均標準報酬額を55万円とします。ちなみに、報酬額の再評価は考慮しないものとします。

設例夫婦の年金加入歴

設例夫婦の年金加入歴

設例の妻は夫より3歳年下、昭和40年4月2日生まれとします。夫と同様に大学を卒業して23歳で就職し、結婚後30歳で退職したものとします。厚生年金の加入期間は7年(84月)、その間の平均標準報酬月額を20万円とします。これはすべて平成15年4月前です。

妻は退職後、専業主婦であったものとし、国民年金の3号期間とします。夫が60歳に達する令和4年4月までの3号期間は324月です。その後60歳に達するまでの36月は、夫が60歳で退職すれば1号期間となり、夫が働き続けて厚生年金に加入すれば3号期間となります。

加入期間と年金額3/24 老齢年金と受給要件

老齢年金とその受給要件

厚生年金に加入した会社員には、老後、厚生年金の加入期間に基づいて老齢厚生年金が支給されます。また、厚生年金の加入者は同時に国民年金の2号加入者でもあるので、その2号期間に基づいて老齢基礎年金が支給されます。会社員は結果的に二階建ての老齢年金を受給するわけです。この2つの老齢年金は65歳から支給されます。

また、昭和36年4月1日以前生まれの男性、および昭和41年4月1日以前生まれの女性には、60歳以後の生年度に応じた年齢から65歳に達するまでの間にも老齢厚生年金が支給されます。これを「特別支給の老齢厚生年金」といい、これに対して65歳からの老齢厚生年金を「本来支給の老齢厚生年金」などといいます。どちらも同じ老齢厚生年金ですが、特別支給の老齢厚生年金は65歳になると失権し、代わって本来支給の老齢厚生年金が支給されるのです。

老齢年金とその受給要件

老齢年金とその受給要件

老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給するには、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上必要です。これを「受給資格期間」などといいます。納付済期間とされるのは、国民年金1号加入者として保険料を納めた期間および2号期間、3号期間です。これらの期間を合算して10年以上あれば、厚生年金の加入期間に基づく老齢厚生年金と、国民年金の1号、2号、3号期間に基づく老齢基礎年金を受給できます。もし納付済期間が10年未満であっても、それと国民年金1号加入者として保険料を免除された期間とを合算して10年以上あれば、受給資格期間を満たします。

会社員として厚生年金に加入した期間が10年以上あれば、納付済期間とされる国民年金2号期間が10年以上あって受給資格期間をクリアするため、老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給できます。なお、特別支給の老齢厚生年金を受給するには、厚生年金の加入期間が1年以上必要です。これが1年未満の場合は、特別支給の老齢厚生年金は受給できませんが、本来支給の老齢厚生年金が受給できます。

加入期間と年金額4/24 厚生年金加入期間と年金額・その1

厚生年金の加入期間に基づく年金額

会社員が老後に受給する老齢年金とその年金額の成り立ちを理解するため、ちょっと昔の年金制度から振り返ってみましょう。

会社員は昔も今も厚生年金に加入します。厚生年金の保険料は給与の一定率です。厚生年金や健康保険では給与のことを報酬というので、保険料は「報酬×保険料率」となります。現在の保険料率は18.3%。これを加入者と会社で半分ずつ負担するので、加入者本人が報酬から天引きされている保険料は「報酬×9.15%」です。

この9.15%はすべての加入者について同じですが、加入者はそれぞれ報酬つまり給与額が異なります。たとえば、報酬40万円の人の保険料は「40万円×9.15%=36,600円」。これは報酬が半分の20万円の人の保険料の2倍です(20万円×9.15%=18,300円)。報酬40万円の人は20万円の人の2倍の保険料を払うのですから、年金額も2倍で当然だと思います。この考え方に基づくのが、「報酬比例部分」という年金額です。

報酬比例部分は、厚生年金加入中の報酬の平均額に基づきます。したがって、加入期間が同じだったとしても、その間の報酬の平均額が40万円の人と20万円の人とでは、報酬比例部分の額は2倍の開きがあります。大昔、制度がスタートしたときの厚生年金は、報酬に基づく保険料を払い、報酬に基づく年金額を受給する、完全比例の年金制度でした。

厚生年金の加入期間に基づく年金額

厚生年金の加入期間に基づく年金額

ただ、年金額が報酬比例部分のみだと、老後も一生涯にわたって現役時代の報酬の多い少ないに影響され続けます。厚生年金はあくまでも社会保障制度の一つです。その面からいえば、現役時代の報酬の多い少ないに影響されない最低保障的な年金額があっても良いかもしれません。そこで、制度発足から10年以上経って設けられたのが「定額部分」という年金額です。

定額部分は、厚生年金に1カ月加入すると「いくら」と決められている「定額単価」という金額に加入月数を掛けた額です。定額単価は原則としてすべての人について同額なので、加入期間が同じであれば、加入中の報酬額に違いがあっても同じ額になります。定額部分は加入中の報酬の影響を受けない最低保障的な年金額です。昔の厚生年金は老齢年金も障害年金も遺族年金も、報酬比例部分と定額部分という二階建ての年金額でした。(その2に続く)

加入期間と年金額5/24 厚生年金加入期間と年金額・その2

厚生年金の加入期間に基づく年金額

(その1からの続き)その昔、厚生年金の老齢年金は原則として60歳から支給されていました。年金額は報酬比例部分と定額部分という二階建てです。なお、被扶養の配偶者などがいれば、扶養手当に当たる加給年金額が加算されていました。

ちなみに、当時も今と同様に厚生年金と国民年金という2つの公的年金制度がありましたが、当時の厚生年金は会社員を加入者とする制度、国民年金は会社員以外の自営業者などを加入者とする制度でした。国民年金の老齢年金は65歳から支給されていましたが、これは定年のある会社員と定年のない自営業者という、当時の加入対象者の引退年齢の違いからでしょう。

これが昭和61年、大きく変わります。国民年金をすべての人に基礎年金を保障する制度にリニューアルしたのです。自営業者はもちろんのこと、厚生年金に加入する会社員や専業主婦など、職業にかかわらずすべての人を国民年金加入者とし、すべての人に65歳から老齢基礎年金を支給する制度に変えたのです。

会社員は厚生年金加入者であると同時に、第2号という国民年金加入者とされ、老後はその2号期間に基づく老齢基礎年金が支給されることになりました。ただし、それまでの報酬比例部分+定額部分の老齢厚生年金にプラスして老齢基礎年金を支給するのでなく、それまでの定額部分を廃止して、その代わりに老齢基礎年金を支給するとされたのです。ちなみに、定額部分は厚生年金加入期間に基づき、老齢基礎年金は国民年金2号期間に基づきますが、両者は同額になるようにされたので、とくに損得が生じたわけではありません。

厚生年金の加入期間に基づく年金額

厚生年金の加入期間に基づく年金額

改正後、厚生年金は老齢年金も障害年金も遺族年金も、定額部分が廃止されて基礎年金の上乗せに位置する報酬比例の年金制度とされました。そして、老齢厚生年金の支給年齢は、65歳から支給される老齢基礎年金に合わせて65歳支給となったのです。ただし、それまで60歳から支給されていた年金をいきなり65歳支給にはできません。

そこで、当分の間の経過措置として、60歳から65歳になるまでの5年間についても老齢厚生年金を支給する制度が設けられました。65歳からの老齢厚生年金と区別して、これを特別支給の老齢厚生年金といいます。特別支給の老齢厚生年金には、改正後なのに「定額部分」が残されました。65歳前ですから一階部分の老齢基礎年金が支給されないためでしょう。

これが現在の会社員が老後に受給する老齢年金です。65歳前に特別支給の老齢厚生年金を受給し、65歳から老齢厚生年金と老齢基礎年金を受給する。二階部分は、65歳前後を通じて厚生年金加入期間に基づく報酬比例部分です。一階部分は、65歳前は厚生年金加入期間に基づく定額部分、65歳以後は国民年金2号期間に基づく老齢基礎年金です。制度や計算方法は違っても、二階は報酬比例の年金額、一階は最低保障的な定額の年金額というわけです。

加入期間と年金額6/24 支給開始年齢とその引き上げ

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢

その昔、60歳から支給されていた厚生年金の老齢年金は、昭和61年の制度改正によって、老齢基礎年金に合わせて65歳支給とされました。ただし、これを一気に行うわけにはいかないため、当分の間の経過措置として60歳から65歳になるまでの5年間について支給されることになったのが特別支給の老齢厚生年金です。

ただ、特別支給の老齢厚生年金はあくまでも当分の間の経過措置という位置付けであり、その後の改正によってこれも支給開始年齢が徐々に引き上げられることになりました。

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢引き上げは生年度ごとに行われます。男性を例にすると、昭和16年4月2日から昭和24年4月1日生まれの人を対象に、まず定額部分と加給年金額の支給開始年齢が2生年度ごとに1歳ずつ引き上げられます。昭和24年4月2日から昭和28年4月1日生まれの人は、60歳から報酬比例部分のみが支給されます。そして、昭和28年4月2日から昭和36年4月1日生まれの人を対象に、報酬比例部分の支給開始年齢が2生年度ごとに1歳ずつ引き上げられます。昭和36年4月2日以後生まれの人には、特別支給の老齢厚生年金は支給されません。この人たちに支給される老齢年金は、65歳からの老齢厚生年金および老齢基礎年金です。

女性の支給開始年齢の引き上げは、男性と比べ5生年度遅いスケジュールです。これは、大昔55歳支給であった厚生年金の老齢年金を60歳支給に引き上げたとき、女性を男性より遅いスケジュールとした影響です。

加入期間と年金額7/24 報酬比例部分と平15.4前後の期間

報酬比例部分と平15.4前後の加入期間

老齢厚生年金の「報酬比例部分」の額は、厚生年金加入中の給与(報酬)の平均額に一定の乗率を掛け、それに加入月数を掛けて計算します。これは、障害厚生年金や遺族厚生年金についても同じです。

ところで、以前の厚生年金は、月給(標準報酬月額)に対して保険料が掛けられ、月給の平均額(平均標準報酬月額)に基づく報酬比例部分が支給されていました。会社員の給与には月給と賞与がありますが、賞与は必ずしも支払われるとは限らないため、必ず支払われる月給に基づく仕組みになっていたのでしょう。

平成15年4月これが変わります。社会保険(厚生年金、健康保険)に「総報酬制」が導入されました。賞与に対しても月給と同じように保険料を掛け、賞与込みの平均月収(平均標準報酬額)に基づく報酬比例部分を支給する仕組みに変えたのです。

報酬比例部分と平15.4前後の加入期間

報酬比例部分と平15.4前後の加入期間

改正時点における厚生年金全加入者の平均的な賞与は、月給1に対して0.3という割合でした。たとえば、月給が30万円だとすると、平均的な賞与月額はその0.3に当たる9万円です。年額に置き換えれば、30万円×12月=360万円の月給の0.3ですから、賞与は年間108万円。これが夏冬の2回支払われるとすれば、それぞれ54万円の賞与というわけです。

この例でいえば、総報酬制導入前の報酬比例部分は平均月給の「30万円」に基づきます。一方、総報酬制導入後は賞与込みの平均月収「39万円」に基づきます。これに同じ乗率を掛けると、総報酬制導入後は報酬比例部分の額が多くなってしまいます。

総報酬制の導入は、保険料や年金額を増やすことが目的ではありません。それまで特別扱いしていた賞与を、月給と同じように扱うことが目的です。平均報酬額が30万円から39万円に1.3倍になっても年金額が変わらないようにするため、「7.125/1000」だった乗率が「5.481/1000」に1.3小さくされました。

平成15年4月前後の加入期間がある人の報酬比例部分は、加入期間を15年4月前後に分けて、15年4月前の期間分は「平均月給(平均標準報酬月額)×7.125/1000×15年4月前の月数」、15年4月以後の期間分は「賞与込みの平均月収(平均標準報酬額)×5.481/1000×15年4月以後の月数」と計算し、両者を合計した額とされます。

加入期間と年金額8/24 定額部分と老齢基礎年金

定額部分と老齢基礎年金

定額部分は、60歳前に支給される特別支給の老齢厚生年金の一階部分に当たる年金額です。厚生年金にひと月加入すると「1,628円」(令和3年度額)と決まっている定額単価と呼ばれる金額に厚生年金の加入月数を掛けて計算します。定額単価は加入中の報酬にかかわらず誰でも同額ですから、加入月数が同じであれば定額部分は誰もが同額になります。定額部分は加入中の報酬の影響を受けない最低保障額的な意味合いの年金額ということです。ただし、その意味合いから、計算上の加入月数は480月(40年)で上限とされます。

一方、老齢基礎年金は65歳から支給される一階部分に当たる老齢年金です。現在の国民年金は、少なくとも20歳から60歳になるまでの40年間が、1号または2号あるいは3号加入者として強制加入です。2号および3号期間は保険料納付済期間とされるため、1号期間に未納がなければ、すべての人に480月(40年)の保険料納付済期間があるはずです。この場合の老齢基礎年金の額が、いわゆる満額と呼ばれる「780,900円」(令和3年度額)です。1号期間に保険料の未納や免除があれば、その月数や免除割合に応じて老齢基礎年金額は少なくなります。なお、厚生年金の加入期間は20歳前または60歳以後であっても国民年金2号期間ですが、もともと20歳以上60歳未満の者とされている1号および3号との公平性を保つため、20歳前および60歳以後の2号期間は老齢基礎年金の額には反映されません。老齢基礎年金は20歳から60歳になるまでの間の1号、2号、3号期間によって計算されます。

定額部分と老齢基礎年金

定額部分と老齢基礎年金

たとえば、20歳から60歳になるまでの480月(40年)厚生年金に加入した人は、同じ480月が国民年金2号期間です。この人の定額部分は「1,628円×480月=781,440円」、老齢基礎年金は満額の「780,900円」です。定額部分と老齢基礎年金は同じ一階部分に当たる年金であり、定額単価と満額が等しくなるように作ってあるため、このとおり非常に近い金額になります。ただし、単価と満額の端数に違いがあるため、この例では老齢基礎年金が定額部分と比べ540円少なくなります。そこで、この540円を65歳からの老齢厚生年金に加算します。これを「経過的加算額」といいます。これにより、一階部分に当たる年金額を65歳前後で等しくしているのです。

加入期間と年金額9/24 経過的加算額

老齢厚生年金の経過的加算額

65歳前に支給される特別支給の老齢厚生年金の「定額部分」と、65歳から支給される「老齢基礎年金」との差額に当たる「経過的加算額」について具定例を見てみましょう。

大学を卒業して23歳で就職、以後63歳で退職するまでの40年間(480月)にわたって厚生年金に加入した例です。この人の厚生年金加入期間の480月は、国民年金の2号期間でもあります。なお、20歳から就職するまでの36月は国民年金の1号期間となりますが、未加入または学生納付特例であったものとし、老齢基礎年金の額には反映しないものとます。

定額部分を計算する際の厚生年金加入期間は480月で上限とされますが、加入期間は20歳前や60歳以後を含みます。したがってこの例の定額部分は、23歳から63歳になるまでの480月の加入期間に基づく「1,628円×480月=781,440円」です。

一方、老齢基礎年金を計算する際の国民年金2号期間は、20歳から60歳になるまでの間にある2号期間です。20歳前や60歳以後の2号期間は計算に含まれないので、この例の老齢基礎年金は「780,900円×444月/480月=722,333円」です。

老齢厚生年金の経過的加算額

老齢厚生年金の経過的加算額

そして、この両者の差額「781,440円-722,333円=59,107円」が経過的加算です。定額部分は60歳以後の36月を含む480月で計算され、老齢基礎年金はそれを含まない444月で計算されるのですから、結構な額になるのです。

がちなみに、この例の20歳から23歳になるまでの1号期間が保険料納付済期間だったとすると、20歳から60歳になるまでの480月がすべて納付済期間となり、老齢基礎年金は満額の780,900円となります。ただし、そうなっても経過的加算額は「59,107円」です。経過的加算は定額部分と老齢基礎年金との差額ですが、より正確にいうと定額部分と厚生年金加入期間(国民年金2号期間)に基づく老齢基礎年金との差額です。1号および3号期間に基づく老齢基礎年金は除けて計算するのです。

加入期間と年金額10/24 設例〈夫〉の年金額

設例〈夫〉の年金額

設例の夫の年金額を計算してみましょう。夫は23歳から60歳になるまでの37年間(444月)厚生年金に加入しましたが、昭和37年4月2日生まれのため特別支給の老齢厚生年金は支給されません。老齢年金は65歳からの老齢厚生年金と老齢基礎年金です。

 

設例夫婦の年金加入歴

設例夫婦の年金加入歴

老齢厚生年金の報酬比例部分は、夫は総報酬制が導入された平成15年4月前後の加入期間があるため、それぞれの期間に分けて計算した額を合算します。夫には特別支給の老齢厚生年金は支給されず定額部分も支給されませんが、経過的加算額は定額部分が支給されるかされないかにかかわらず加算されるため、定額部分を計算してそれに基づく経過的加算額を計算します。また、夫は妻の生計を維持しているものとし、その老齢厚生年金に配偶者加給年金額が加算されるものとします。加給の額は定額です。

設例〈夫〉の年金額

設例〈夫〉の年金額

老齢基礎年金は、23歳から60歳になるまでの37年間(444月)の国民年金2号期間に基づきます。20歳から23歳になるまでの36月は、その当時の学生は強制加入でなかったため未加入期間とし、老齢基礎年金には反映しないものとします。この夫の場合は、定額部分と老齢基礎年金との差額が、65歳からの老齢厚生年金に加算される経過的加算額です。