加給10/10 加給と振替加算の事例研究

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加給の事例

老齢厚生年金の配偶者加給と老齢基礎年金の振替加算について、ある夫婦の事例を見てみましょう。

夫は昭和30年8月生まれ。令和2年8月に65歳になりましたが、それ以前の厚生年金加入期間が20年未満であるため、65歳からは加給は加算されていません。ただし、夫は65歳以後も厚生年金に加入しており、67歳を過ぎた令和5年3月まで加入すると加入期間がちょうど20年になります。令和5年3月末日に退職し翌4月1日に加入者の資格を喪失すると、同4月分の年金から20年の加入期間に基づく年金額とされ加給が加算されます。

一方、妻は夫より8歳半年下の昭和39年2月生まれです。妻は既に厚生年金に20年以上加入しており、63歳になる月の翌月である令和9年3月分から特別支給の老齢厚生年金を受給できます。仮に夫の年金に加給が加算されたとしても令和9年3月以降は支給停止になるため、加算される期間は令和5年4月から令和9年2月までの47月間です。

令和3年度の配偶者加給の年額「390,500円」に基づくと、47月間に受給できる加給の総額は「390,500円×47月/12月=1,529,458円」です。

加給の事例

加給の事例

ところで、もし夫が加入期間20年未満で退職すると、妻が65歳になる翌月である令和11年3月以降の夫の老齢基礎年金に振替加算額が加算されます。昭和30年8月生まれの事例の夫の振替加算額は、年額「51,007円」です(令和3年度額)。令和11年3月時点で夫は73歳を過ぎています。70歳男性の平均余命である16年間にわたって振替加算額を受給するものとすると、その総額は「51,007円×16年=816,112円」です。

捕らぬ狸の皮算用ですが、この事例の場合は振替加算より加給を受給したほうが金額としては有利ということです。

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