加給3/10 老齢基礎年金に加算される振替加算

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振替加算の額

老齢厚生年金や障害厚生年金の配偶者加給の対象となるのは、65歳未満の配偶者です。たとえば、夫の老齢厚生年金に加算される妻を対象とする加給は、妻が65歳になると加算されなくなります。これは、妻が65歳から老齢基礎年金を受給できるからです。

日本の公的年金は、一階が基礎年金、二階が厚生年金という二階建てです。ただし、二階部分の厚生年金は、その人がたまたま会社員として厚生年金に加入したから支給される年金です。公的年金として最低限保障しているのは基礎年金です。

すべての人を、少なくとも20歳から60歳になるまでの40年間にわたって国民年金の強制加入者とし、すべての人に65歳から満額の老齢基礎年金を支給する。これこそが、公的年金による最低限の老後保障です。もちろん、たとえ満額であっても老齢基礎年金だけでは生活できませんが、制度の理屈の上では、満額の老齢基礎年金を受給する65歳以上の人は、公的年金による老後保障を受ける人です。

加給はいわば扶養手当です。たとえば、夫の老齢厚生年金に妻を対象とする加給が加算されるのは、妻が夫に扶養されているからです。同じひとりの妻を、一方では公的年金による老後保障を受ける人とし、もう一方で夫に扶養される人とするのは矛盾します。そこで、夫の老齢厚生年金の配偶者加給は、妻が65歳になると加算されなくなるのです。

加給と振替加算

加給と振替加算

ただし、専業主婦が国民年金の3号という強制加入者とされたのは昭和61年4月1日からです。それ以前の専業主婦は、国民年金は強制加入ではありませんでした。たとえば若くして結婚し以後ずっと専業主婦だった妻は、3号制度ができたときに20歳未満だった昭和41年4月2日以後生まれであれば、3号期間が40年間あって満額の老齢基礎年金を受給できます。一方、3号制度ができたときに20歳以上だった昭和41年4月1日以前生まれの専業主婦の妻は、3号期間が40年未満のため満額の老齢基礎年金を受給できません。しかもこれは、この妻の責任ではなく制度のせいです。

振替加算の額

振替加算の額

そこで、老齢厚生年金や障害厚生年金の加給対象だった配偶者のうち、昭和41年4月1日以前生まれの人の老齢基礎年金に、加給の額とその人の生年月日に基づいて計算される額が加算されます。あたかも、夫の年金の加給が妻の年金に振り替わるように見えることから、これを「振替加算額」といいます。

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